top:「叱る」ということ(3)叱っても伝わらないもの

「叱る」ということ(3)叱っても伝わらないもの

大人が子どもを叱るとき、感情的になっていることもあるでしょう。しかし、多くの場合、「しっかりしつけなければ」という意図があるはずです。ただ説明するよりも、叱ることで子どもにしっかりとしつけができるだろうという思いが親にはあると思います。しかし、この親の「思いこみ」は必ずしも正しいわけではありません。

そもそも、叱るコミュニケーションの相手であるお子さんが十分にコミュニケーションできる能力があるかどうかを考えなければいけません。コミュニケーションは互いに共有した決まりごとがあり、その決まりを運用して伝達内容を理解し、自分の意図を伝達する能力がなければいけません。

このコミュニケーション能力があるかどうかがコミュニケーションメッセージを正しく伝達できるかどうかに影響します。どんなに送り手である親の考えがしっかりしていても、受け手の理解能力が追い付かなければコミュニケーションは成立しません。叱っても、叱った内容がお子さんに伝わらないのでは、叱ってもしょうがないのです。

重要なことは、「お子さんが叱ったことを理解できるか」ということです。多くの場合、お子さんの発達は年齢に依存しています。

年齢が3歳くらいにならなければ、言葉の理解は不十分なので、コミュニケーション上は叱っても意味はありません。

さらに、コミュニケーションが成立する年齢にお子さんが成長したとしても、一回でいうことを聞くお子さんはまずいません。いったんは、「わかった」と言ったとしても、叱られたことを繰り返すのが子供というものです。叱っても叱っても伝わらないものなのです。「こどもなんてこんなものだ」とある種のあきらめが必要なのです。このあきらめが、親の育児ストレスを和らげる効果も発揮するでしょう。

このように、親がどんなに熱を上げて「叱った」としても、受け手の子どもはまったく心に響きません。だからといって、ほったらかしにするのではなく、「熱を込めずに説明する」ことに徹しましょう。

熱を込めず、同じことを何度も説明し、お子さんに理解を促すようにしましょう。たとえば、子どもが好きなキャラクターを使って、「〇〇が『痛い』と言っているよ」など、キャラクターを使って代弁する説得をするのでもいいです。